2008年8月18日月曜日

心をこめて



ディズニーランドは夜になると、
毎晩大掃除が始まります。
お客さんが帰った後、夜中中、大忙しです。

そんな中、「もう駄目だ、こんな仕事やめてしまおう!」と
言っている一人の従業員がいました。  

彼の仕事は、夜のトイレ掃除でした。
真夜中、誰もいないトイレを一人で掃除。
真っ暗のトイレに、パッと電気をつけます。
誰もいない。トイレの扉をあけます。

ギー、誰もいない。
怖くて、怖くて、「こんな仕事もうやめよう!」そう思っていました。  

しかしある日、
アメリカのディズニーランドの研修ツアーに参加することになりました。
本場のディズニーランドで働く人たちと会いました。

お兄さんは慣れない英語を使って尋ねます。
「どんな仕事してるの?」。「私は入場口で働いています」。
「私はダンボのところで働いています」。  

そのうち、彼の質問に、このように答える人がいました。
「僕はね、夜中にトイレの掃除をしています」。
「え、僕と一緒じゃないか」そこでお兄さんは
自分の悩みを打ち明けてみました。

「僕は怖くてね、もうこの仕事やめようかと思っているんだけど」
すると、アメリカでトイレ掃除をしている若者が答えてくれました。

「君、こんな素晴らしい仕事を辞めることはないよ。
僕は全然こわくないよ。」
「どうして?」
「トイレに並んでいる便器は、僕の友だちなんだよ。紹介するね」  

アメリカの青年はお兄さんをトイレまで連れてゆきました。
そしてなんと便器を紹介したのです。

「これがトム。これがジャックだ。」
トイレの便器はピッカ、ピッカに磨かれていました。

「彼らはきれい好きだからね。
僕は毎日、彼らと話しをしながら、ピカピカにしてあげる」。
それを聴いた彼は胸が熱くなりました。  

早速日本に帰って同じように便器に名前をつけて
語りかけながら掃除をするようにしました。

「おい、ジャック、ずいぶん汚れたね。
今日一日、ご苦労さん。また明日もよろしくたのむよね」  

そうしているうちに、怖さも吹き飛んでしまいました。
そして、一生懸命やっているうちに、
この働きが大好きになっていったのです。  

いやいやながらやっているときは怖くてたまらなかったのに、
一生懸命やりはじめると、その仕事が好きになったのです。  

私は常々、「気を使わずに、心を使おう」と自分に言い聞かせています。

「やらなければならないから・・・」と周囲に気を使ってやっていると、
その仕事は辛く、だんだん嫌になってきます。  

ところが、相手のことを心から考えて、一生懸命させていただくと、
その働きにやりがいと喜びを感じてきます。  

イエス様はおっしゃいました。

「見てもらおうとして、人の前で善行をしないように注意しなさい。
さもないと、あなたがたの天の父のもとで報いをいただけないことになる。  

施しをするときは、右の手のすることを左の手に知らせてはならない。

あなたの施しを人目につかせないためである。
そうすれば、隠れたことを見ておられる父が、
あなたに報いてくださる」         (マタイ6:1、3、4)。                            


                      (大阪センター教会牧師  藤田 昌孝)


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