2010年1月4日月曜日

神と共に歩む



エノクが神と共に歩んだのは、
恍惚状態や幻を見るような
ものではなくて、
日常のすべての務めを果たすことに
おいてであった。

彼は、
自分を世から全くしゃ断して、
隠者にならなかった。

というのは、
彼は、この世で神のために
しなければならない仕事があったからである。

彼は、家庭においても、
人々との交際においても、
夫、父、友人、市民として、
常に堅く立ってゆるがない主のしもべであった。

彼の心は、神のみ旨に一致していた。

この清い歩みは三百年続いた。

もしクリスチャンが生命のはかなさを知り、または、
キリストの再臨がまさに起ころうとしていることを知ったならば、
ますます熱心になって献身しようとしないものはあるまい。

しかし、エノクの信仰は、
幾世紀の年月を経るにつれて強くなり、
その愛はいっそう熱烈になっていった。

エノクは、よく洗練され、
すぐれた頭脳と広い知識の持ち主であった。

彼は、神からの特別の啓示を受ける栄誉にあずかった。

しかし、彼は、絶えず天との交わりを保って、
神の偉大さと完全さとを常に実感していたので
だれよりも謙遜であった。

彼は、神とのつながりが親密になればなるほど、
自分の弱さと不完全さとを深く感じた。

エノクは、
不信心な者の悪事が増加するのを嘆き、
神へのエノクの崇敬の念が、
彼らの不信心によって弱められるのを恐れて、
常に彼らと交わることを避け、
人々から離れて瞑想と祈りにふけった。

こうして彼は主に仕え、
神のみこころを明らかに知って、それを実行しようと努めた。

彼にとって、祈りは魂の呼吸であった。

彼は天の雰囲気の中で生きていた。


                   人類のあけぼの 上 81.82

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