2011年11月20日日曜日

「年輪」




私は樹木の年輪をみて
わが生涯の年輪を思う。

幸福な人生の春には
のびのびと成長し、
厳しい試練の冬には
ちぢこまった痕を残し、
年ごとに層を加え、
数えてみれば
六十にあまる
同心の円輪である。

少年の日、
水に溺れようとして
友に助けられ、
青年の頃胸を病んで
人生に望みを失った時、
キリストによって救われた。

戦いはげしい時には、
爆弾や焼夷弾が
雨のように降る都心に住んでいたが、
奇跡的に生き残された。

ああ主よ!
私の時はあなたのみ手にあります。

私はかって無価値な一本の苗木にすぎなかった。

だが今、
いささか価値ある僕であるとするならば
それは全く
年輪を重ねることをゆるして下さった
主の恩寵の故なのである。


松田明三郎(あけみろう) 作

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